*個人的な感想を綴ったブログです。
*記事の後半部分にはネタバレを含みます。ご了承ください。
映画『マレフィセント』について

今日のおすすめ映画は『マレフィセント』。
ディズニー・アニメーションの名作『眠れる森の美女』に登場する、悪の妖精マレフィセントを主人公として描いた作品。
主人公マレフィセントを演じたのはアンジェリーナ・ジョリー。
彼女は、演者としてだけでなく製作総指揮の1人としてもこの作品に携わりました。
2019年には『マレフィセント2』が公開されたことでも記憶に新しいですね。
今回は、そんなマレフィセントシリーズの第1作目についての感想です。
あらすじ

妖精や生き物たちが平和に暮らすムーア国では、ムーア国への大きな愛と力強い翼を持つ心優しい妖精マレフィセントが、国の守護人として穏やかなムーアを守っていた。
マレフィセントには、幼い頃、隣国・人間の国の少年ステファンと恋に落ちた過去があったが、大人になった今、2人の距離は離れてしまっていた。
そんな中、人間の国がムーア国を支配下に入れようと攻め入ってくる。
マレフィセントが中心となりムーア国はその危機を脱するも、マレフィセントの命が狙われることとなる。
大人になったステファンは、人間の国での手柄を立てるため、幼少期の恋人マレフィセントの心につけ入り、命までは奪えなかったものの彼女の翼を奪ってしまう。
かつて愛した人に裏切られた悲しみと怒りに支配されたマレフィセントは、邪悪な妖精と化し、手柄により次代の王となったステファンを憎んで、王女であるステファンの娘、オーロラ姫に強大な呪いをかけてしまう。
かくして呪われた王女『眠れる森の美女』の物語が生まれるが、その裏にあった悪の妖精の本当の物語とは…。
この映画のおすすめ度
- おすすめ度:
- ★★★★★
- 友人と鑑賞:
- ★★★★★
- デートで鑑賞:
- ★★★★★
- ひとり映画:
- ★★★☆☆
心の闇と本当の愛情が、巧に描かれた映画。
闇に落ちていく心理と、抱いている愛情に気づいていく心理が、とてもリアルかつ自然に表現されています。
正直、ディズニー映画を観ているというよりかは、ヒューマンドラマのような、登場人物のそれぞれの心情を追うことがテーマの映画を観ているという感覚。
それでいて、ディズニー作品ならではの爽やかさもあり。
鑑賞後の満足度がとても高い映画でした。
子どもだけでなく、むしろ大人が楽しめる、考えさせられることが多い映画だと感じました。
ひとり映画でも十分楽しめますが、ちょっともったいないです。
友人同士やデートで鑑賞して、鑑賞後の感想で盛り上がりたい映画でした。
映画の感想

※ここからの内容にはネタバレが含まれます!※
繊細かつ精巧な心理描写
上述のように、人が抱くプラスの感情とマイナスの感情のゆらぎが繊細かつ精巧に描かれています。
一番の見所は、主人公マレフィセントの心理描写。
優しい心の持ち主だった彼女が、いかにしてダークサイドに堕ち、いかにして元の彼女に立ち戻っていくのか。
ディズニー作品には、子どもでも楽しめる易しい作品が多いイメージですが、そうと感じないくらい心理描写がしっかりと作り込まれた映画です。
愛に裏切られたマレフィセントの心理(堕落編)

まずはマレフィセントがダークサイドへと堕ちていくストーリーから。
マレフィセントは、元々は心優しく、周りに大きな愛を注ぐことのできる性格。
そしてその広い心で、幼少期に出会った優しい人間の少年ステファンとも心打ち解け合うことができ、幸せな愛を育むことができました。
しかしそのステファンに、翼を刈り取られ裏切られてしまい、悲しみと憎しみに支配されてしまうわけです。
元々周りに対して優しい愛を持っている人が、さらに特別な感情を注いでいた人に裏切られる。
持っていた愛情の大きさの分、ショックや反動もものすごく大きかったんじゃないかと思います。
例えば、友人や家族、恋人に裏切られたらと想像すると、やっぱりひどくショックを受けますよね。
マレフィセントがダークサイドに堕ちるこのシーンは、現実世界でも起こり得る人間の心理を、自然な流れで精巧に描いたシーンだなと感じました。
愛に裏切られたマレフィセントの心理(復活編)

そして、心の底に眠っていた愛の感情が戻っていくストーリー。
オーロラ姫に呪いをかけつつも、その成長を心配して陰で見守るマレフィセント。
ここからもうすでに、元々持っていた優しい性格が覚醒しはじめていますよね。
やがてオーロラへの愛情が強くなっていき、マレフィセントは彼女に呪いをかけたことを後悔し始めます。
後悔の念、救いがなく何もしてあげられないもどかしさと嘆き。
悪にのまれた彼女の心に少しずつ愛情の灯火が戻りながらも、それ以上に抱え込んでいる苦悩が痛いほど伝わってきます。
この呪いは「真実の愛」があれば解かれることになっています。
しかし過去に愛する人に裏切られた彼女は、真実の愛なんてものはこの世に存在しないことを知っているわけです。
物語の前半のストーリーが、ここでしっかり意味のあるものになっているわけですね。
話のつなぎ方が自然で巧みで感動してしまいました。
アニメ版『眠れる森の美女』では王子とのキスで真実の愛を得て呪いから醒めます。
しかしながら実写版の今回の映画では、出会って間もない王子とのキスは効果がないという、少々現実的な設定(笑)。
やはり一度悪に染まりしでかしてしまったことは取り返しがつかないのか…と思った矢先、ここが一番の見所。
マレフィセントのキスで、オーロラ姫が目醒めるシーン。
この展開には感極まるものがありました。
呪いをかけてしまったことを心から悔いた、愛のこもった謝罪のキス。
まさにこれこそ、相手を心から想う「真実の愛」だったわけですね。
そして、心優しい妖精マレフィセントの復活の瞬間でもありました。
マレフィセントを通して描かれた感情のゆらぎが、とても繊細かつ精巧で、人が闇をまとう瞬間や本当の愛の抱き方をあらためて教えてくれるようでした。
愛を裏切ったステファンの心理

そしてもう一つの側面、裏切った側のステファンの心理も見所です。
少年時代、マレフィセント同様に無垢で優しかったステファン。
彼は王位継承の座につくという野望のために変貌し、かつて愛したマレフィセントを裏切ります。
そしてなぜ王位を目指していたのかというと、両親を亡くした平民だった幼少期の彼にとって、お城で暮らすことが夢だったから。
ここに、階級ピラミッドによる人間界の負の部分が見えるような気がしますね。
ピラミッドの下の方にいたステファンは、豊かな人生を歩むために上を目指すことが夢となり、そのサバイバルの中でいつしかその優しい性格がねじ曲げられてしまったのかもしれません。
映画の中では、ステファンが悪役ではあります。
しかしながら、ある種避けようのない、人間界特有の環境の中で食べていくための行動だったと考えると、正直憎みきれないところもあります。
マレフィセントを裏切った悪役ですが、
その背景にある環境や心理は、人間の弱さや欲望が上手に表現されたものであるように感じました。
そしてステファンは、裏切った相手マレフィセントからの復讐を、復讐で返すようになります。
そんな中で彼もまた、真実の愛など存在しないと思うようになり、娘を救う方法は何一つないと考えるようになるんですね。
上述しましたが、
かつて愛し合った2人が、裏切り行為によってお互いに「真実の愛は存在し得ない」と信じるようになるという構成、
物語のキーとして本当にうまくハマっていてすごいです。
おわりに

今日の映画『マレフィセント』についての感想はここまで。
ご興味を持たれた方はぜひ観てみてください!
映画についてのサイトはこちら↓
https://www.disney.co.jp/movie/maleficent.html
予告動画はこちら↓
あわせて観たい!
アニメーション映画『眠れる森の美女』
ぜひあわせて観てみてください!
こちらはマレフィセントの悪の部分しか描かれていませんが、表の『眠れる森の美女』の裏に『マレフィセント』の物語がある、と思って観ると、世界観に奥行きが増しておすすめです。
関連動画はこちら↓